当工房では製品の製作販売の他に、製作教室も開講しています。
先日は、当工房も加盟する『モノづくり共同体』の押沼拠点(千葉県市原市)でクラシックギター製作教室を受講されている生徒さんを当工房へお招きし、製作教室を開講しました。
モノづくり共同体押沼拠点では↑のような木工舎で開講しておりますが、ギター製作専門の施設ではない為、置いていない道具もチラホラ。
今回は使用する道具が多く押沼まで持ち込むのが大変であったことと、短時間で設定したスケジュール・工程をこなす必要があった為、より環境が整った当工房へ受講者さんをお招きしての開講となりました。
この日に至るまでの奮闘記はこちらのリンク先で「Fさんのギター製作教室」と題名のついた記事をご覧下さい。
ブックマッチで継ぎ接ぎしたレッドシダーの表板をシェイプよりやや大きめにカットします。卓上バンドソーを使いました。卓上バンドソーは小回りが利いて助かります。
切り抜いた表板は継ぎ目の段差を無くすためにサンディング。面が整ったら力木などの配置を書入れ、サウンドホール周りの飾りを入れる為の溝を掘ります。stewmacで購入した専用治具で作業しました。この道具は便利です。
パーフリング材4本で構成。各0.5mm厚のものを茶-白-白-茶で配置して埋め込み。パーフリング材は大和マークさんでドウゾ。最後にサウンドホールを抜きます。
裏板の力木加工です。豆鉋や鑿を使って高さを落としたり、端の切り込みを深めてみたり、試行錯誤です。削るたびに板を叩いて音の反応を見て、完成形をイメージしながら進めます。この間、側板には上下に2つのブロックを接着しておきます。
裏板を側板に接着する前に、ライニングや上下のブロックの高さや角度を調整し、裏板が無理なく接着出来るよう準備します。これは表板でも同様のことを行います。キッチリやらなければなりません。L字クランプで強引に圧着してしまうことも出来なくもありませんが、苦労して音を作った裏板に余計な負荷が掛かっては台無しになります。
豆鉋や専用のサンディングブロックを使用して表面を均しました。均した後は仮組して、接着面に紙を挟んでみたり、ボディ内部に灯を置いて光の漏れを確認したりといった方法でよくよく精度を確認し、スプールクランプで圧着固定しました。
表板も裏板同様に接着・加工、また接着という具合に進めていきます。
表板は音作りでは最も重要になってくる部分だと思いますので、時間を掛けて作業してもらいました。
接着出来た裏板の余分な肉は小鉋や反り鉋で取り除きます。くびれの最も深い部分のみ、小刀を使います。鉋掛けするにあたり、枠に入れたまま行えば垂直方向の当て台が確保出来ますので楽です。トリマーの目地払いビットでやってしまえば早いですが、チップして裏板の端が飛ぶことがあるのであまりお勧めしません。
先の裏板接着同様、よくよく接着面の密着を確認してから進めます。無事、圧着固定出来ました。
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